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多分本当は国旗を投げたんだと思うし、苦しい言い訳をせざるを得ないんだと思うと同情する

【動画】マラソンの国旗投げ捨て騒動、渦中の選手が心境激白=「怒っていない」―中国

2018年11月18日、中国の江蘇省蘇州市で行われたマラソン大会で、中国人ランナーの何引麗(ハー・インリー)選手が、ゴールまで数百メートルという地点でボランティアから手渡された国旗を投げ捨てるという事件がありました。

アフリカ人ランナーとの極限状態で順位を競っている時に手渡された国旗は邪魔以外の何物でもなく、何選手は失速して1位を逃しました。

当然、デッドヒート中に割り込んで国旗を渡したスタッフに非難が殺到…と思いきや、何故かランナーでありレースを妨害された形の何引麗選手にも中国国内で非難の声があがり、いやいやそりゃないだろうということで話題になっていました。

動画を見ると、国旗は本当に投げ捨てているように見える

リンク先の記事の動画では、国旗が投げ捨てられる瞬間を見ることができます。

何引麗選手が批判されている理由は、「国旗を投げ捨てるとは愛国心が足りない」というものでした。それに対し何引麗選手の釈明は、「手がかじかんでいて落としてしまった」というもの。

「成績は国旗よりも大切なのか」という驚くべき批判もありましたが、状況を考えればここで国旗を投げ捨てたことは妥当な判断です。実際、国旗が投げ捨てられる瞬間の動画を見てみると、手を横に広げて国旗を投げ捨てているように見えます。

日本では絶対にありえないことだと思いますが、中国ではここで「邪魔だから国旗を投げた」と言うと痛烈な批判を喰らうのでしょう。それが分かっているからこそ、落としてしまったという苦しい言い訳をせざるを得なかったのだと私は思います。

リンク先の記事を見ると、何引麗選手はかなりの人格者であるという印象を受けます。正直に言って、何引麗選手は怒り狂ってもいい出来事だと思うのですが、事件の背景を説明し、国旗を渡そうとしたことで愛国賊とまで言われているスタッフをも庇い、国旗をゴールに運べなかったことを謝罪し、競い合っていたランナーにも気を使い、そのうえで国旗を渡すのはゴール後にして欲しいというお願いをやんわりとしています。

何引麗選手の非の打ちどころのない事後対応に、拍手を送りたいと思います。

国旗を渡すことでアフリカ人ランナーに勝たせようとした説が浮上?

【動画】中国国旗投げ捨て騒動、選手に国旗を渡したのは「ボランティア」ではなかった?

ちなみにレコードチャイナの他の記事では、高いお金で招待したアフリカ選手を勝たせるために、主催者側のスタッフが国旗を手渡すという方法で中国選手を妨害したという噂がネットで囁かれているそうです。愛国心の強い中国に限って、海外選手を招待することはあっても、肩を持つことはないと思うのですが。

国旗を手渡す瞬間の動画を見ても、明らかにアフリカ人ランナーにとっても邪魔な形になってしまっていますし、あまり信ぴょう性のある噂とは言えない気がします。

そもそもコースに入って走行中のランナーに物を手渡す行為自体がルール違反ですが、国旗を手渡す行為はランナーを利するわけではないため、今まで黙認されていた慣習なのだと思います。今までは大きな問題になることもなかったルール違反が、ついに大きな問題となってしまっただけという印象です。

国旗を渡す慣例を変える予定はない

中国ではスポーツの場を国威を示す場と考える風潮があるそうです。

国旗をはためかせてゴールをする感動的なシーンを演出したいという思いからか、今後も中国選手に国旗を渡す慣例を変える気はないそうです。

流石に変えた方が良いんじゃないかと思いますが、自国への愛国心や感謝を示すために国旗をはためかせてゴールテープを切りたいと本気で考えている中国人選手も少なからず居るでしょうから、間を取って、受け取るか受け取らないかは選手側の意思で決定できるような手渡し方を考え、世論も選手の意思を尊重するような風潮を作れれば良いなと思います。

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